はじめに
「早期リタイアなんて無理」「一生働き続けるしかない」――そう感じたことはありませんか?
ですが近年、海外で注目を集めるFIRE(Financial Independence, Retire Early、経済的自立と早期退職)ムーブメントは、“35歳で1億円相当を貯めて自由を手にする”大胆なライフスタイルを現実にした人々の実例を多く生んでいます。本記事で紹介するのは、イギリスのポンド建て成功例ですが、お金の管理術・投資の考え方・「25」という数字の意味など、日本に住む私たちにも応用できるノウハウが詰まっています。
物価上昇や雇用不安が続く今だからこそ、欧米でのFIRE先駆者たちの考え方や、彼らが実践したシンプルな“7つのステップ”を「自分事」として応用できるポイントに注目して解説します。
この流れを理解することで、「いつかは自由な時間を手に入れたい」という願いが、ぐっと現実に近づくヒントになるはずです。

【まとめ記事】FIREムーブメントで35歳リタイアも夢じゃない!? ― 「25」という数字と7つのステップ
概要
「FIRE(ファイア)」――Financial Independence, Retire Early(経済的自立と早期リタイア)は、極端な節約・投資・計画的支出によって、通常より何十年も早く仕事を辞める(リタイア)ことを目指す資産形成術です。英国のカップル、ケイティ&アラン・ドネガン夫妻の成功ストーリーを軸に、FIREの基本原理と実践法が分かりやすく解説されています。
FIREとは?「25」という数字がカギ
- やり方はシンプル。若いうちから支出を大きく抑え、余剰収入を株式市場(インデックスファンドなど)へ積極投資。
- 目安は「年間生活費 × 25倍」の資産を積み上げること。たとえば年間支出が£30,000なら£750,000、£40,000なら£1,000,000がリタイア目標額となる。
- 資産を年4%ずつ「取り崩す」ことで、30年以上生活資金を持たせる計画(いわゆる「4%ルール」)。
FIREへの7ステップ(ドネガン夫妻の実践例)
- 収支の差を生み出す:家計管理&頻繁なモニタリング。
- 収入増を図る:副業・不要品売却・昇給交渉など。
- 徹底的な支出削減:サブスク解約、小型住居、車もダウングレード。
- 緊急予備資金(£1,000)を確保。
- 高金利負債の返済:クレカやローンを優先的に消す。
- 低コストな世界株インデックスファンドに投資:Vanguard等を活用しやすい。
- 年金拠出も忘れず:職場年金など税制上の優遇を活かす。
投資の始め方
- 十分な生活預金(3〜6か月分)ができたら投資を開始。
- 英国では株式ISA(個人投資口座)活用推奨。年2万ポンドまで利益非課税。
- 最初は「バランス型」や「アドベンチャー型」等のインデックスファンドから始めるのが無難。
- 回転売買より「コツコツ積立」(ドルコスト平均法)が推奨される。
FAT/LEAN FIRE:夢のグレードも選べる!
- 「Lean FIRE」=最低限の生活費だけをカバー(贅沢は難しいが到達は早い)。
- 「Fat FIRE」=余裕ある暮らしや旅行・趣味も実現。年支出が多い分だけ必要資産額も跳ね上がる。
注意点と現実的アドバイス
- 投資リスク・生活の節約ストレス:一時的な市場下落やインフレで計画が崩れる場合も。
- 自分の性格・家族構成・夢とバランスを見て、Lean/Fatの中間など柔軟な目標設定を。
- 収入や生涯設計が不安定な場合、少額から実践・家計最適化や早期ローン返済だけでも大きな効果。
FIRE式リタイアまでのシミュレーション例
| 収入後の貯蓄率 | 年間生活費 | 必要資産(25倍) | 月々の積立(年利5%想定) | 達成までの年数 |
|---|---|---|---|---|
| 50% (£22,500/£45,000カップル) | £40,000 | £1,000,000 | £1,875 | 24年 |
| 42% (£12,500/£30,000個人) | £30,000 | £750,000 | £1,250 | 24年 |
| ちょっとだけ: £25/月投資 | – | – | £25 | 10年で£4,465、20年で£12,609 |
おまけ:続けるコツ&考え方
- FIREは「節約=我慢」ではなく、「自由のための選択」。今を全く楽しめないわけではない。
- ライフプランや目標は柔軟に、状況や価値観の変化にも対応する心の余裕を。
要点まとめ
「25」という数字は“退職資産額”の目安。収支管理・節約・投資の徹底で、35歳リタイアや世界旅行も夢ではありません。
無理なく始める・現実にあわせて調整するのも十分アリです。
一歩ずつでも「お金=自由・選択肢」というFIREの本質は、すべての人の家計改善に応用できます。
