
早期リタイアは「慎重すぎる」かもしれない?
――「4%ルール」提唱者が示す新たな安全引き出し率 4.7%
早期リタイア(FIRE:Financial Independence, Retire Early)には正解がありません。
事業売却で一気に資産を築く人もいれば、投資や不労所得を積み上げて会社勤めから離れる人もいます。
ただし、多くのFIRE実践者やリタイア計画では、長年「4%ルール」が事実上の基準として使われてきました。
しかし、その提唱者本人である Bill Bengen は、
「4%で計画している人は、少し自分を過小評価しているかもしれない」
と語っています。
4%ルールとは何か(おさらい)
4%ルールは、1994年にBengenが発表した研究に基づく考え方です。
前提条件
- 退職時に資産の 4%を初年度に引き出す
- 以降は インフレ調整 を行いながら同水準を維持
- 資産配分は
- 株式60%(米国大型株)
- 債券40%(米国中期国債)
- 毎年リバランス
- 30年間、資産が枯渇しないことを目標
この条件下で、歴史的に資産が尽きなかった最大引き出し率が約4.1%。
そこから「安全圏」として 4%ルール が広まりました。
新研究で示された「4.7%ルール」
Bengenは近年の研究で、より現実的な退職後ポートフォリオを想定し、再検証を行いました。
新しい想定ポートフォリオ
- 株式:55%
- 大型・中型・小型・超小型株
- 一部は国際株式
- 債券:45%
- 現金(短期国債・Tビル):5%
この構成で1926年以降のデータを検証した結果、最悪の歴史的ケースでも以下の引き出し率が可能だと結論づけています。
| 退職期間 | 安全引き出し率 |
|---|---|
| 30年 | 4.68%(約4.7%) |
| 50年 | 4.17% |
👉 30年リタイアなら4%→4.7%へ上方修正
👉 超早期リタイア(50年想定)でも4%超が可能
さらに引き出せる可能性もある条件
Bengenによると、次の条件がそろうとさらに高い引き出し率も現実的になります。
- 株式市場が過度に割高でない
- インフレ率が 低〜中程度
- リタイア初期に大きな暴落が起きない
逆に、リタイア直後の暴落+高インフレは最大のリスクです。
「退職初期に大きなベアマーケットが来ると、
資産が減る中で引き出しを続けることになり、
安全引き出し率は一気に下がる」
インフレは最大の敵
インフレが急上昇すると:
- 購買力が低下
- 生活費増加
- 引き出し額を増やす or 支出削減が必要
つまり、引き出し率は固定ではなく、環境依存だという点が重要です。
結論:数字より「柔軟性」が重要
Bengen自身も強調しています。
- 将来の市場は誰にも分からない
- 寿命も、医療費も、生活スタイルも不確定
- 完璧な数字は存在しない
そのため、
- 4%はもはや「保守的すぎる可能性」
- ただし 状況を見て調整できる柔軟性 が不可欠
- 可能であれば 専門家と相談しながら設計 するのが望ましい
ひとことでまとめ
「4%ルールは神話ではないが、絶対でもない。
4.7%という新しい視点は、FIRE設計の自由度を広げる。」
必要であれば次に👇
- 日本向け「FIRE × 年金 × 税金」モデル
- 30年/50年別「安全引き出し率シミュレーション表」
- インフレ・暴落時の動的引き出し戦略(Guardrails方式)
